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2009.12.22【人事労務のポイント】労働基準法改正3

 

こんにちは。
鈴木社会保険労務士事務所の鈴木早苗です。
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今年もあと今日をいれて10日となりました。
年賀状もまだ手つかずで、最後までバタバタしそうです。

みなさんは来年の手帳はもう購入されましたか?

私もようやく先週末購入しました。
いつもは見開き1週間、たてに時間軸がとられたタイプ
を愛用していたのですが、来年は、1日1ページで構成
された手帳を使ってみようと思います。

どういうふうに使うかというと、

日々の予定を書きとめる以外に

・夜、思い付くテーマをいくつか書き出す
・テーマの中の最重要項目を選んで翌日のテーマとする
・テーマを進めるために必要な行動を書き出す
・翌日の夜、振り返って必要な行動がいくつ出来たか
チェックする
 

これを書きとめて、毎日繰り返します。

テーマを必要な行動にまで落とし込んで書き出すことで、
テーマがより具体的、現実的になる利点があります。

何より目的意識を持って翌日の1日を過ごすことができます。

私が指導させていただいている人事制度の評価項目を設定
するときにも通じる手法でもあります。

でも、えらそうに言っていますが、ときどき忘れて眠って
しまい、翌日の朝、一度に手順を行っていたりもします。

今までは別の手帳で行っていたのですが、1冊にまとめた
ほうが効率がよいと思い、来年は1日1ページの手帳に
まとめてみようと思います。

みなさんも愛用している手帳、使い方などありますか?
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今日は平成22年4月から施行される「労働基準法の改正」に
ついてお伝えする第3回目(最後)です。

今日お伝えする内容は、改正のポイント
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(1)「時間外労働の限度に関する基準」の見直し
(2)1)法定割増賃金率の引上げ
   2)代替休暇制度の導入
(3)時間単位年休 
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(2)についてです。

(2)の1)は
時間外労働の割増賃金率を1か月に60時間を超える時間外
労働については現行の25%から50%に引き上げるというもの
です。

この割増賃金率の引き上げは、中小企業については、その
適用が当分の間猶予されます。

猶予される中小企業の範囲は【労働基準法改正】第1回配信分
をご参照ください。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
今回の改正の目的は

・長時間労働の抑制
・労働者の健康確保
・仕事と生活の調和 

です。

11月に行政によっておこなわれた
「労働時間適正化キャンペーン」でも、労働基準法の改正を
意識したものとなっていました。

改正のパンフレットには
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
労働者が健康を保持しながら、労働以外の生活のための時間
を確保して働くことができるよう、1か月に60時間を超え
る時間外労働について、法定割増賃金率を5割以上に引き上
げます。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
とあります。

中小企業は今回割増賃金率の引き上げは猶予されますが

 労働者が健康を保持しながら、
  労働以外の生活のための時間を確保して
  働くことができるよう

という改正点の主旨について、何もしなくてよい、
長時間労働をそのままにしておいてよいというものでは
ありません。

猶予されている間に
むだな残業はなくす
休日の確保をする

この仕組みを考えることが求められていることに変わりは
ありません。

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  ■60時間の時間外労働について考えてみましょう!
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 ★時間外労働には休日労働した時間数も含めますか?

 答えはノーですね。

 では、週休2日制の会社におたずねします。

 休日2日中、1日は休み、1日は出勤した場合
  出勤したこの1日は休日出勤扱い(割増賃金率35%)ですか?

 法律上は、1週間に1日の休みを与えなければならないと
  されていますので、2日間の休みのうち1日出勤しても休日
  労働とはなりません。

 あなたの会社はどういう扱いにすると規定していますか?

 2日ともに休日労働の割増賃金率を用いている会社は
  別ですが、

 今回の改正によって

 時間外労働が60時間を超える場合の割増賃金率と
  休日労働 の割増賃金率が逆転するという現象が
  起きます。

 すなわち、改正後は

 法定休日(割増賃金率35%対象)と法定外休日の時間管理
  を厳密に行わなければなりません。

 ★年俸制を採用している会社も多いと思いますが、この
   割増賃金は年俸制社員だから関係ない、ということは
   ありません。

 年俸制の社員についても、割増賃金の支払いは必要です。

 ただし、年俸制の契約をする時点で

 「年俸制には時間外労働等の割増賃金を含む」としている。
  例えば
  「所定外労働時間の何時間分の割増賃金なのか、
  計算方法等を含め明確な根拠が示されている場合」は、
  年俸に含めることも可能です。

 この場合は、
  「割増賃金の基礎となる賃金」の時間単価がいくらで
  割増賃金率に所定外労働時間数を乗じて計算した金額が
  いくらで、その差引額が年俸制における所定内労働時間に
  おける年俸額であると明確に、年俸制の契約の中に示され
  ていることが必要です。

 なお、年俸制の場合「割増賃金の基礎となる賃金」は、
  通常は年俸÷12月で計算します。

 「賞与」分も最初から年俸額に含めて額を決定している
  場合はどうなるのでしょうか?

例 年俸額480万円
内訳-給与 30万×12か月=360万円
    賞与 60万×2回 =120万円

 この場合の割増賃金の基礎となる賃金は30万円でしょうか。

 答えは 480万円÷12か月=40万円です。

 あれっ?と思われますか。
 
「賞与」は「割増賃金の基礎となる賃金」には含まれない
  のでは?

 はい、そうですね。本来はそうです。

 「賞与」とは、会社の業績や本人の成績等に応じて支払わ
  れるものであり、支払時期になり初めて、金額が明確に
  なるものです。

 -しかし-
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  あらかじめ金額が明確になっているものは「賞与」と称し
  ても、「賞与」としての扱いはせず、これは賃金となり
  ます。(通達 平成12年3.8基収78号より)
------------------------------------------------------------
  よって、上記の例で言えば、30万円ではなくて40万円が
  割増賃金の基礎となる賃金となります。

本日お伝えする最後の改正ポイントは
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
  引き上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する
  制度(代替休暇)を設けることができる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
です。

★代替休暇制度導入には、労使協定を結ぶことが必要です。
  この労使協定は事業場において代替休暇の制度を設ける
  ことを可能にするものです。

 →個々の労働者に対して代替休暇の取得を義務付けるもの
   ではありません。

 →個々の労働者が実際に代替休暇を取得するか否かは
   労働者の意思により決定されます。

 よって、代替休暇をきちんと取得したとき、始めてその分
  の割増賃金を支払う必要がなくなります。
 
  労働者が代替休暇を取得するつもりでいても、忙しくて
  結局取得できなかったときは、割増賃金を支払うことに
  なります。

では実際に労働者から代替休暇を求められたら?

 (前提として、労使で協定が結べなかったときは、付与
   する必要はありません。)

 ・代替休暇を付与する場合の協定書には、代替休暇を算定
   する方法を具体的に定め就業規則に記載する必要があり
   ます。

 ・この代替休暇は、60時間を超え割増賃金が50%以上と
   なる分を、全て休暇に代えるというものではありません。

 今まで通り、時間外労働に対する25%以上の割増賃金は
  支払い、25%から50%以上のアップした分を休暇に代える
  というものです。

 このため、代替休暇を付与しても、いままで通り25%以上
  の割増賃金は支払う必要があります。

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具体的に数字を入れて見てみましょう。
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○1ヶ月の時間外労働時間数・・・76時間

○代替休暇を取得した場合に支払うこととされている
割増賃金率(月60時間までの時間外労働の割増率)・・25%

○代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている
割増賃金率(月60時間を超えた時間外労働の割増率)
                        ・・50%

この場合、休暇に換算される時間数は

(76時間-60時間)×(50%-25%)=4時間 
となります。
 
  よって、4時間の休暇を与えれば、

「改正で増えた部分(50%-25%部分)」の残業代を支払わ
なくてもОKになります。
 
  もちろん、60時間を超えた部分の時間外労働については
今まで通り、25%以上の割増率で計算した額を支払わなけ
ればなりません。
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

さぁ、ここまで50%以上の割増賃金率への引き上げ・代替
休暇の付与を見てきました。

なかなか使いこなすのは難しそうですね。

そうなんです!
改正のねらいは長時間労働の抑制です。

健康確保・仕事と生活の調和を図るということは
ねらいは休日の確保の推進です。

 みなさんは、50%以上の割増賃金を支払うのと、

 代替休暇を付与するのと、どちらが得だと考えますか?

 結論としては、どちらが得かと考えるよりも、

 やっぱり時間外労働を無くすことが、実は一番よい方法

 なのです。

3回にわたって平成22年4月からの労働基準法の改正に
ついて説明しました。

おわかりいただけましたでしょうか。

やらなければならないことは

・企業規模にかかわりなく、就業規則の改訂が必要です。

・36協定をはじめ労使協定の締結も必要です。

・社内で給与計算されている場合、給与計算ソフト等の初期
  設定の変更も必要ですね。

もう4月の施行時期まであまり時間がありません。

是非とも、まだ手つかずの会社のみなさんは、

来年早々手を打ってくださいね。

■■■最後に
今日が2009年最後のメルマガになります。
ご愛読ありがとうございました。
来年も有益な情報をお届けできるよう頑張ります。
少し早いですが、良いお年をお迎えください。

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鈴 木 早 苗
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