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2009.12.15【人事労務のポイント】労働基準法改正2

 

普段お世話になっている皆様はじめ、
名刺交換、セミナーにお越しになった方、ダウンロードして
いただいた方等にお送りしております。

こんにちは。
鈴木社会保険労務士事務所の鈴木早苗です。
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鈴木社会保険労務士事務所の年末年始休暇のご連絡
12月29日(火)~1月4日(月)
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さて、前回に引き続いて平成22年4月から施行される
「労働基準法の改正」についてです。

今日のテーマは「年次有給休暇を時間単位で必ず付与
しなければならないのか?」

労働基準法が改正されたことにより、平成22年4月1日から
年次有給休暇を時間単位で付与することができるように
なりました。(=時間単位年休)
★企業規模に関係なく来年より適用されます。

実際、どういうときにこの時間単位年休を使うのでしょうか?

保育園の送り迎えのために、朝と夕方1時間ずつ取得。
ちょっと市役所に立ち寄るので、朝1時間ほど取得。

現実味があって使えそうですね。

ちょっとおやつタイムで1時間。
昼寝のために1時間。

こうなってくると、業務に支障がでてきそうな気もします。

でも、使い道を限っての時間付与はできません。
求められれば、どんな目的でも拒むことはできません。

○平成22年4月1日から年次有給休暇を時間単位で付与!
と聞くと、ちょっと導入するのを考えてしまうかも
しれませんね。

でも、だからと言って素知らぬふりはできません。

この改正の内容をよく理解したうえで、どういうふうに
使いこなすか考えましょう。

そもそも、この年次有給休暇の時間単位での付与は、
必ず付与しなさいということではありません。

労使で話し合い、労使協定を締結すれば、付与することが
可能となる、というものです。

つまり、年次有給休暇を時間単位で付与するためには、
労使協定が必要だということです。

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労使協定では何を決めて締結するのでしょうか?
================================

1.時間単位の年次有給休暇の対象労働者の範囲
2.時間単位年次有給休暇の日数
3.時間単位年次有給休暇1日の時間数
4.1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数

では、ひとつずつについて見ていきましょう!

1【対象労働者の範囲】

一部の労働者を対象外とすることはできますが、取得目的
などによって対象範囲を定めることはできません。

・○工場のラインで働く労働者を対象外とする→
事業の正常な運営が妨げられる

・×育児を行う労働者に限る→取得目的による制限

2【時間単位年次有給休暇の日数】

5日以内の範囲で定めます。

3【時間単位年次有給休暇1日の時間数】

日数を5日と決めた場合、これは何時間分でしょうか?

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「1日分の年次有給休暇に対応する時間数を所定労働時間数
を基に定めます。
時間に満たない端数がある場合は時間単位に切り上げてから
計算します。」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
と定めています。

これは、

1日の所定労働時間数が8時間の場合は
8時間×5日=40時間分の時間単位年休とします。

では1日の所定労働時間数が7時間30分の場合は

7時間30分×5日ではなくて

7時間30分を切り上げて8時間として計算します。

よって
8時間×5日=40時間分の時間単位年休となります。

また、7時間30分×5日=37時か30分を切り上げて
38時間分という考え方は×です。

4【1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数】

取得の単位を1時間以外とする場合は、2時間、3時間と
記入するということです。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

注意点をもう少し見ていきましょう!

1.時間単位で取得するか、1日単位で取得するかは、労働者
の意思によります。

年次有給休暇を時間単位で付与する場合は、労使による協定書
を結ばなければなりません。
この労使による協定書は、労働者が時間単位による取得を
請求した場合において、与えることができるとしているもの
ですから、労働者に対して時間単位による取得を義務付ける
ことはできません。

2.対象労働者の範囲を定めた場合に、時間単位年休を取得
できない事業場に異動した場合の扱い

時間単位年休で残っている休暇分についての扱いは、労使で
話し合って決めておく必要があります。

例 時間単位分の残りを日単位に切り上げる等です。

ちなみに
今年度に取得されなかった時間単位年休の残日数・時間数は、
来年度に繰り越されることになります。
ただし
来年度の付与日数は、今年度からの繰越分も含めて5日以内
です。
6日、7日となることはありません。

3.時季変更権との関係

時季変更権=
会社は事業の正常な運営を妨げる場合の年次有給休暇の時季
を変更できます。
ただし、日単位での請求を時間単位に変更したり、時間単位
での請求を日単位に変えることはできません。

4.計画的付与との関係

計画的付与=
年次有給休暇は、労働者の請求する時季に与えるのが原則で
すが、労使協定によって、有給休暇を与える時季に関する
定めをしたときは有給休暇のうち5日を超える部分について
は、その定める時季に有給休暇を与えることができる、すな
わち消化するものとできる。

計画的付与として、時間単位の年次有給休暇を与えることは
できません。

4.1日の所定労働時間が8時間未満の場合は時間単位で取得
したほうが得?

 ★賃金額は、日単位で取得したものと同様とすると定めて
います。

では、所定労働時間が7時間30分の会社は、1日分の年次
有給休暇を日単位で取得するよりも時間単位で取得した場合の
ほうが、30分得なのでしょうか。
(会社は持ち出し?)

通達より
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
<一日の年次有給休暇を取得する場合>
時間単位年休は、年次有給休暇を有効に活用できるように
することを目的として、原則となる取得方法である日単位に
よる取得の例外として認められるものであり、一日の年次
有給休暇を取得する場合には、原則として時間単位ではなく
日単位により取得するものであること。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
としています。

ここは、やはりきっぱりと

「1日の年次有給休暇を取得したものとする!」

と協定で決めておきましょう。
(でも、「8時間分の時間単位での年次有給休暇を取得した
ものとしても違法ではない」とも言っています。)

いかがですか?

時間単位の年次有給休暇の概要をおわかりいただけましたで
しょうか?

従業員の方以上に、みなさんのほうが正しい情報を身につけ
て、「時間単位で取得できるんですか?」とたずねられても
あわてたり、わからないからと言って拒否したりしないで
くださいね。

改正の目的は前回のメルマガでお伝えしました。
今日の改正点は、以下の目的にあたります。

・仕事と生活の調和
・休日取得の増加

前回同様「労使協定」が今回もやはりポイントになって
います。

何を、どのように決めるのか。

ここをしっかり押さえて、あなたの会社でもちゃんと使える
労使協定を結んでくださいね。

次回は、改正の3つのポイント中、残りの

(2)1)法定割増賃金率の引上げ
2)代替休暇制度の導入   です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴 木 早 苗
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鈴木社会保険労務士事務所
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