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2009.10.21【人事労務のポイント】退職者に賞与支給は必要か

 

普段お世話になっている皆様はじめ、
名刺交換、セミナーにお越しになった方、ダウンロードして
いただいた方等にお送りしております。

こんにちは。
鈴木社会保険労務士事務所の鈴木早苗です。
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ついこの前まで夏だったのに、あっという間に10月も残り
わずかです。
10月からは新入社員の採用活動も始まり、そろそろ賞与
支給のための評価の時期も迫ってきました。
なにかと人事の忙しい時期です。

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9月29日に日本経団連から「新規学卒者決定初任給調査
結果」が発表されています。

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/077.pdf

ポイント
・大学卒事務系の初任給額は208,306円、技術系は209,752円
初任給の上昇率は全学歴で昨年より減少しました。

・「100~299人」「100人未満」規模の初任給水準が各学歴
において「3,000人以上」規模を上回りました。
大学卒事務系 100人未満規模-212,544円
3,000人以上規模-207,654円

・前年の初任給を据え置いた(凍結)企業の割合は6年ぶり
に増加して 87%となりました。
初任給を凍結した企業の割合が8割を超えるのは2005年
86%以来です。 
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■今日は「退職者に賞与支給は必要か」についてお話します。
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【問】賞与の支給日直前に退職した者に、賞与を支給しなけ
ればなりませんか?

いかがですか、みなさんはどう思われますか?

たいていの就業規則には、支給日現在に在籍していた従業員

に対して支給すると定めていますね。

では、今回の場合は支給日には在籍していないので、支給す

る必要はないでしょうか。

【答え】退職事由によっては支給しなければなりません。

賞与の支給要件として賞与支給日に在籍していることを定め

ていたとしても、退職日を自分で選択できない「定年退職者」

や「会社都合による整理解雇者」にも支給日在籍条項を適用

することは、民法90条の公序良俗に反しているという考え方

が主流です。

退職事由ごとに見ていきましょう。

1.定年退職者・整理解雇者等

賞与も労働基準法上の賃金になります。

このことからすると、就業規則で賞与の支給に関して支給日

に在籍していることを条項として定めておく(以下、支給日

在籍条項)と、退職事由を問わず賞与を支給しなくても労働

基準法違反にならないように思えます。

しかし、たとえば定年制がある会社で賞与の支給日の直前に

定年の一定年齢が来てしまう定年退職者や、会社側の経営上

の都合により賞与支給日直前に解雇した者に関しては、賞与

の支給日在籍条項により賞与を支給しないのは合理性に欠け

るといわなければならず、民法90条の公序良俗に反し無効

とされる可能性は高いでしょう。

2.任意退職者・懲戒退職者

自己都合で退職する者は退職日の選択権があります。また、

懲戒解雇や諭旨解雇は労働者側に原因があり解雇されて

います。

これらの場合は、賞与の支給日在籍条項に基づき、賞与を

支給する必要はありません。

労使紛争の場で争われる例として、実態は整理解雇にもかか

わらず、自己都合を理由として退職届を出す場合があります。

この場合には、実質的に会社によって解雇されたと認められ

ます。

なお、解雇には至らないが、懲戒処分を受けた者に対して

賞与を支給しないとすることができるでしょうか。

賞与の支給に係る考課査定として評価が低くなり減額支給

される場合はありますが、賞与の減額の度合いと非行・違法

行為の程度との均衡が問題になります。

考課査定部分における減額は認められても、賞与のもう一方

の側面である対象期間中の労働力の貢献に応じた成果配分の

側面の部分までもすべてを否定し、一律不支給とすることは

許されないものと思われます。

どうぞご注意ください。
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4月に入社した新入社員もそろそろ慣れてきた頃でしょうか。
みなさんの会社では新入社員のフォローアップ研修はされて

いますか?

その中に、就業規則の説明は含まれていますか。

入社時に説明されたかもしれませんが、学生気分がようやく

抜けて、仕事も人間関係も少し見えてきた今こそ、会社の

ルールを説明してはいかがでしょうか。

今なら説明を聞く態勢ができていて、より理解できることで

しょう。

今日の内容がお役にたてれば幸いです。

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鈴 木 早 苗
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鈴木社会保険労務士事務所
東京都中野区沼袋2-15-11-301
phone:03-5345-9727 Fax:03-3389-2961
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