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2009.04.09有給休暇の取得『よくある質問』

 

こんにちは。
鈴木社会保険労務士事務所の鈴木早苗です。

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決算の時期は各社それぞれですが、人事の年度は4月スタート
という会社が多いことと思います。
通年採用と言っても、やはり4月入社の数はまだまだ多いよう
ですね。
東京のハローワークは多くの場所で、今月、朝9時前から置い
てある椅子すべてが埋め尽くされるような混雑です。
勿論、入社(雇用保険の資格取得)手続きだけではないに
しても人の異動の多さがわかります。

さて今日は、人事管理の中の基本である有給について、これ
までいただいた質問とその回答形式でまとめてみました。

○通勤災害のため休職している社員がいます。

 年次有給休暇を付与する際の出勤率の計算にあたって、

 この休職している期間は出勤扱いとなりますか?

 ※私の就業規則の小冊子をダウンロードしていただいた方
  は、21ページをご覧ください。

答 有給休暇は1年間継続勤務するごとに1年間において所定

労働日数の8割以上出勤した場合という要件があります。

このとき、業務上の傷病による療養のため休業した期間も出勤

したものとみなすとされています。

その他の出勤したものとみなす期間は何があるでしょうか。

・産前産後の女性が、労働基準法第65条の規定によって休業
  した期間

・育児・介護休業法の規定による育児休業、介護休業、子の看護
  休暇期間

・年次有給休暇を取得した日

では、通勤災害は同じく出勤したものとみなすのでしょうか?

通勤災害は業務上の災害ではありませんので出勤したものとは

みなされません。

業務災害と混同しないように気をつけましょう。

○正社員だった人が4月から家庭の事情で週3日(週30時間

未満)のパートに変更になりました。

有給は毎年4月に付与しているのですが、何日付与すればよい

でしょうか?

4月1日現在の勤続年数は3年6ヶ月です。

答 この場合は、付与日となる基準日においてパートなのか、

正社員なのかで付与日数を判断します。

ご質問のケースは、基準日にはパートですから、週3日勤務

・勤続年数3年6ヶ月のパートに付与される日数を確認して

あらたに付与します。

このパートの方は8日が付与されることになります。

○年次有給休暇の買取りはできますか?

答 年次有給休暇(以下年休)の買取りの予約はできませんし、

予定された日数について年休取得を認めないことも当然労働

基準法第39条(年次有給休暇)に違反します。

ただし、法定日数を上回って付与した日数、時効になっている

年休日数分を買取ることは労働基準法違反とはなりません。

では、退職時点で残っている年休を買取ることはできるので

しょうか?

年休を取らなかったので残っている、というのであれば違法

とはいえません。

あらかじめ労働者と話し合い任意に請求された年休日を全部

または一部取り下げてもらうか調整的に金銭を給付して、年休

の請求を取り下げてもらうことは現実にあり得ます。

事実上、未消化の年休を買い上げることになりますが、事前の

一般的な買取りとは異なるので労働基準法違反にはならないと

されています。

難しいのが、「買取るから退職日まで現実に勤務してもらえ

ないか?」と会社が求めた場合は、労働者の年休取得の権利を

害すると判断され、無効となるおそれがあります。

運用上、権利を害すると判断されないように注意しなければ

なりません。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

ところで、退職前にまとめて年休を取得するというケースは

珍しくありません。

最終出勤日は3月末で退職日は4月末日というのはよく見受け

られます。

そもそも、労働による疲労の回復と労働力の維持のために認め

られた年次有給休暇という制度ですから、退職時にまとめて、

というのは本来の主旨ではありません。

現実には、経営者としては席だけ1ヶ月ある、ということに

頭では理解できても矛盾や不満を感じておられる方も多いこと

でしょう。

しかし年次有給休暇は法律上当然に発生する権利です。

最後にご案内するのは「計画的付与」という方法です。

 ※こちらも、就業規則の小冊子をダウンロードして
  いただいた方は、21~22ページをご覧ください。

計画的付与は、就業規則にこのように定めて運用します。

「使用者は労使協定により、年次有給休暇を与える時季に

関する定めをしたときは、年次有給休暇の日数(前年度から

の繰越分を含む)のうち5日を超える部分については、

その定めにより年次有給休暇を与えることができる」と

規定します。

毎年夏季休暇や年末年始休暇にプラスしたり、リフレッシュ

休暇として活用したり、お誕生日休暇、自己研鑽休暇など、

仕事へのよい影響が出てきます。

現在就業規則作成に取り組んでおられる会社様も、こういう

会社の遊び心を盛り込むことは、従業員の士気を高めてくれる

ものです。

これに限らず会社独自の規定を盛り込むと、就業規則自体が

身近になります。

最初から5日や10日も計画的付与として設定することに不安

を感じる会社様もおられるでしょう。

最初は年間3日程度でも、有給を実際に消化するというメリット

とともに、会社の従業員への健康面への配慮からも有益な方法と

して推奨します。

自分の権利である有給休暇をなかなか行使できないという職場

環境を、取得しやすい環境作りに変えることも、これからの

会社の重要な業務のひとつではないでしょうか。

・この労使協定は労働基準監督署への届出は不要です。

・計画的付与に係る労使協定で対象として決定した年次有給
休暇については、労使双方ともに時季変更権は行使できません。

・新入社員など年次有給休暇が5日以下である労働者を休業
させたときは、その休業は使用者の責めに帰すべき事由による
休業」すなわち会社都合の休業に該当し、休業手当の支払いが
必要となります。
(特別休暇を与えるイメージになります)

いかがでしょうか?

年次有給休暇だけをとっても、その運用していくなかで

いろいろな疑問、決めなければならないことが出てきます。

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 就業規則は
 
  皆さんが従業員から質問されてその都度回答してきたこと

 を明文化したもの。
 
  日常業務での問題を、今後は未然に防ぐためにあらかじめ

 規定して、リスクを軽減するもの。

 決して法律を転記するだけというものではありません。

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 就業規則を作ることは会社のルールを決定することですので、

 皆さんの実務で使えるように、これまでの困った時、悩んだ時

 の場面を思い出して規定してください。

 今日の内容が貴社のお役にたてれば幸いです。

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鈴 木 早 苗
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東京都中野区沼袋2-15-11-301
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