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2008.9.30 私用メールの対策『ちょっと得する労務管理』

 

関与先の方、名刺交換、メールアドレスをいただいたことのある皆様へ

こんにちは。
鈴木社会保険労務士事務所の鈴木早苗です。

少し前に日本実業出版社の「経営者会報」という雑誌からインタ
ビューを受けました。
掲載は11月だそうですが、この雑誌は書店には並びません。
年間購読して毎月届けられる雑誌です。
今回、社長の相談室というページに届いた質問に専門家が回答す
るという形式のインタビューでした。
せっかく資料も準備して回答したので、ここで皆様方にも情報と
してご提供させていただきたいと思います。

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一番下のメール配信停止をクリックしてください。
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では、どんな質問と回答をしたのか一緒に見ていきましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Q 社員一人に1台ずつパソコンを支給していますが、最近、
私用メールが多いようで困っています。
また、仕事とは関係のないサイトを見ている社員もいるようです。
それにより、とくに費用が発生するようなことはありませんが、
仕事に差し支える可能性もあるため、対策を講じたいと思うの
ですが、具体的にどんな対応がいいのでしょうか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

皆さんはこのような経験はおありですか?
どんな対策がよいのでしょうか?

ここではやはり「服務規律」に規定をしたいものですね。
「勤務時間中は、職務に専念し、みだりに職場を離れたり、私事
の用務を行わないこと」
と、ご質問以外の会社でも加えておいてほしいものです。

今回のご質問の会社の場合は、私用メールと限定されているので
メールに限定して、私用メールの禁止を服務規律に盛り込むこと
を提案します。

では、メールはダメだけれど私用でインターネットの閲覧や
ダウンロードはどうでしょう。

これも気になる、という場合はもちろん一緒に規定して
おきましょう。

すべてに規定を、ということであれば、パソコン通信等の管理と
して、服務規律から独立させて別個に規定するのがよいでしょう。

たとえば?

電子メールの利用であれば
1.会社のメールアドレスを業務以外の目的で使用してはならない。

2.私用のメールアドレスを許可なく会社のパソコンに設定して
はならない。

3.不審なファイルが添付されたメールを受信した場合は、開封
せず、削除すること。

4.宛先を間違えて送信することのないよう、送信前に十分な注
意をもって確認すること。

5.会社が行う電子メールの利用状況モニタリングに協力しなけ
ればならない。

ウェブの利用については
1.~
2.~

パソコンの利用については
1.~
2.~

と、定めてはいかがですか。

ところで、私的利用の禁止と定めることについて判例ではどうな
のでしょうか?
モニタリングはプライバシー権の侵害とならないのでしょうか?

東京地裁の平成13年12月3日の判決(F社Z事業部事件)があります。

これはある労働者が同僚らに上司のセクハラを告発しようなどと
するメールをやり取りし、誤ってそのメールを上司当人に送信し
てしまったことから、上司がその後労働者のメールを監視したこ
とへの損害賠償について争ったものです。

判決では、まず、職場における私的なメールの利用も業務の妨げ

とならず会社負担も軽微であれば社会通念上許容されるし、その

ような範囲で私用するのであればプライバシーが認められるとし

ています。

しかし、労働者の行ったメールのやり取りは行き過ぎており、

上司によるモニタリングも、個人的な好奇心などで監視したもの

ではないので相当性の範囲内であるとしてプライバシーの侵害

とは認めず、原告労働者の請求を棄却しています。

この事例では特に私的利用を禁止する社内規定がなかったのです

が、プライバシー権の侵害は認められませんでした。

一方で、就業規則に禁止する旨の規定がない限り、社会通念上認

められる範囲での私用メールの送受信は、職務専念義務に違反し

ないとした判決(東京地裁平15.9.22)もあります。

私的なメールのモニタリングがプライバシー侵害であるとして争

われながら、プライバシーに一切触れることなく労働者の行為が

職務専念義務に違反するとした判決(東京地裁平14.2.26)もあり

ます。 

このように判例でもまだ明確な方向性は定まっていないのが現実
です。

そこで、会社として取るべき対策としては、

○私用メールの禁止を規定すること。

○モニタリングについては、就業規則で明示して事前の告知及び
周知徹底を十分に図ること。

ただし、実際行う場合には、モニタリングの実施に関する責任者
とその権限を定めたりと、労働者の権利利益を不当に侵害しない
よう配慮することが必要です。

モニタリングを規定して労働者に知らせるだけでも私的利用を抑
止する効果がありますから、

実際のモニタリングの実施は、会社にとっても負担を伴うことで
もあり、最小限にとどめたいところです。

今は携帯メールもあって、就業時間における完全な私用メールの
禁止というのは難しいところです。

中小企業の方とお話すると、規定して明示することを面倒がられ
る場合もあります。

あるいは、規定しておけば大丈夫なんですね、とおっしゃる企業も
おられます。

私用メールの禁止規定にかかわらず、その他の規定にも言えることですが
まず、規定して明文化すること。

規定して周知を図ること、規定に反する行為を目にしたら注意し
続けること。

これが会社のルールとして社内に根付かせていく方法です。

皆さんの会社の就業規則はいかがでしょうか。

規定せずに注意をしたら、「どこに書いてあるんですか、
ダメだって聞いてませんでした」

って、言われてしまうかもしれません。

就業規則は会社のルールです。

規定することで明確な運用ができるものは、はっきり定めておき
ましょう。

■■■ ちょっと一言 ■■■

秘書時代にもこの雑誌見ていましたが、まさか自分がそこに載る
とは。
案外中小企業では、毎月社長の机に届いていたりするんですよ。
さて、今週はもう10月です。あっと言う間に寒くなりました。
日が沈むのも早くなり、でも仕事の効率はなかなかはかどららず、、、。
本当は1時間に5分とか休憩をとって、また集中を高めるのが
よいのですが、気がつくと瞬きもせずパソコンにしがみついて
います。
肩こり、ひどいです!!

ある会社で効率を上げるにはどうしたらよいかという話になって
どうもウロウロ歩いたり、席をはずす人が多いということなの
で、5分の休憩をとってその間にタバコを吸う人は吸ってリフレッ
シュ。または私用メールのチェックにあててもらうというのはど
うでしょうか?
と言ったら、今はビルが全館禁煙で喫煙者は少し離れたところま
で移動してタバコを吸いに行くのでエレベータに乗って降りて、
また戻ると、5分ではムリといわれてしまいました。
じゃあ、午前中に1回10分にしますか?と言って決めていった
のですが。
机の上だけでは規定は決められませんね。
こういう会社様とのやり取りは楽しいです。

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鈴 木 早 苗
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鈴木社会保険労務士事務所
東京都中野区沼袋2-15-11-301
phone:03-5345-9727 Fax:03-3389-2961
E-mail:info@suzukey-stone.com
URL http://www.suzukey-stone.com
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