”もっと成長するために” ハッピーなチームにはしない

第110号

「何事も常にしっかりとやろうとしている人。

どこであろうと何をしていようと、

自分の仕事はできるだけ完璧にやろうとしている人」

これは、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』
出演したときの最後のお決まりの質問
プロフェッショナルとは?に対する

前ラグビー日本代表ヘッドコーチ(監督)
エディー・ジョーンズの答えです。

https://www.amazon.co.jp/dp/B018Q8Q8WG

昨日は、チームビルディングを石見幸三さんから
学んでいる仲間の勉強会で、事例研究材料として
このDVDを鑑賞しました。

私は自分に厳しいエディーさんは、
完璧を目指してチームづくりをしているのだと
思っていました。

しかし、彼はプロフェッショナルを
「完璧にやろうとしている人」
という言い方をしています。

つまりは、どこまで言っても
完ぺきはないということを
わかったうえでの発言ですね。

チームと言えば記憶に新しい
サッカーワールドカップの日本代表。

田嶋会長は、
「ジャパンズウェイは間違っていなかった」
と発言していました。

このジャパンズウェイのもととなった
Japan Way(ジャパンウエイ)を提唱したのが、
エディー・ジョーンズです。

Japan Wayとは、『日本流』という意味のようです。

具体的に日本流とは?

エディーさんが目指したのは、
日本人の強みである
”真面目” で ”忍耐力” のあるところを
活かした戦い方をするというものです。

“強みを知り、強みを活かす”

どうしても、誰かと比較するとき、
劣っているところばかりに眼がいきます。

できているところより、
できていないところを一生懸命ふさごうとします。

ラグビーに限らず、スポーツの場合
どうしても抗えない体格差があります。

だからこそ、日本の強みに
眼を向けざるを得なかったのかもしれません。

とはいえ、自分たちの持ち味、
すなわち強みを活かしきるのは
並大抵ではありません。

「他の国の選手なら、とっくに逃げ出しているでしょう」
とエディーさんがいうような過酷な練習で追い詰めます。

ただし、“楽しめるから頑張れる”
ことを知っているので、
遊び心をくすぐるような
アメフトのボールをラグビーボール
に変えて練習させたりもして、
”楽しむこと”
そして慣れないボールに手こずって
”失敗すること”を恐れないように
指導します。

選手の能力や課題を見極め、
あるいは「どんな性格か」
「コーチや他の選手との関係性はどうか」
「なぜラグビーをやっているのか」などなど
選手の一挙手一投足をつぶさに観察し続けます。

選手それぞれの内面まで見つめて、
”それぞれに違った接し方” をしています。

 

よく行動観察は何のためにするのですか?
と聞かれます。
この上司は見ていてくれている
という信頼感の醸成のため、
と答えてきました。

上司と部下の関係性を
築くためとも答えてきました。

今回このDVDを見て
、もう一段深いところの目的を
伝えきれていないことに気がつきました。

選手を成長させるために必要なのは、

選手を正しく理解し、
それに合った方法で“少しの不安”や“緊張感”を与えること

少しだけ揺さぶりをかけて、

“ハッピーなチームにはしない”

安心してなんでも話せる関係性が
よいのではないのでしょうか。

エディーさんは、

「居心地がいいということと、能力が発揮できるとはイコールではない」
と言います。

居心地がいいと、そこで満足してしまって
成長することを止めてしまいます。

選手が100%安心しないようにして、
あえて刺激し、緊張感を作り出す。

なかなか実践は大変そうです。

でも組織作り、人の成長に終わりはありません。

冒頭のプロフェッショナルとは?
という問いかけに

何事も常にしっかりとやろうとしている人。
どこであろうと何をしていようと、
自分の仕事はできるだけ完璧にやろうとしている人

これはまさに”もっと、もっと” 前へ

常に現在進行形なのです。

エディーさんが率いた日本代表は、
DVDの最初に収められている映像の通り
2015年ワールドカップで、世界ランク3位で
過去2回の優勝経験を持つ南アフリカと対戦し、

34対32で劇的な逆転勝ちをおさめます。

日本ラグビーの歴史を変える一戦となりました。
それでも、ベスト8には届きませんでした。

このワールドカップが
いよいよ来年日本で開催されます。

どんなのびしろを見せてくれるのか、
どんな日本らしさを見せてくれるのか
楽しみです。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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