評価制度を行動経済学的視点で見てみる

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗です

第047号

絶対食べちゃいけないってわかっているのに食べてしまう。
恋人だけど、あの行動だけは意味がわからない。
なんて、経験はありませんか。

わからないことを神秘的とか
愛と呼ぶこともできますが、
まさに人の行動は不思議ですね。

経済も同じだと言います。

人間の経済行動の仕組みを解き明かし、
世にあふれるざまざまな経済現象を
より深く理解しようとする学問、
それが行動経済学です。

~知識ゼロからの行動経済学入門~

評価制度でよくある内容を、
行動経済学的に見てみましょう。

たとえば、ボーナスですが、
30万円を支給しても喜ぶ人もいれば、
不満に思う人もいます。

これは、人は無意識のうちに
相対評価をしている結果、
あらわれる現象です。

それぞれが評価の基準
となる尺度をもっていて、
それが、共通ではないことからくる
ギャップです。

このとき参考にする基準を
「参照基準点」といいます。

社員の定着率が悪い会社が、
よく昇給額を増やしてみようかって、考えます。
残念ながら、それぞれの尺度が違うので、
果たして金額を上げたと言っても、
それは経営者から見た基準の尺度であって、
社員さんに必ず響くというものではありません。

評価制度を導入することで、
評価する際の参照基準を
金額でなく、評価の点数に
置き換えることができます。

行動経済学でいうと、
参照基準点以外の基準点を
社内で持つことによって、
不満を減少させることができるということです。

同じことを表しても
表現のしかたを変えれば、
受け止め方や感じ方が変わることがあります。
これは「フレーミング効果」です。

ボーナス30万円に対して感じる
損とか得とかと感じることを
主観的評価(価値)と呼びます。

評価シートを作ることで
この損か得かの選択肢を
成長しているか、していないか
という基準に変換できるのが
大きなメリットです。

行動経済学的に言うと
「参照基準点を動かして、相手の感情を変える」です。

もらえる金額が増えれば得とか喜ぶ
というお話をしてきましたが、
実は人は得る喜びよりも、
失うことへの悲しみ、恐れが
大きいものです。

人は得するより、損をしたくないという
気持ちが強いものです。
これを、カーネマンとトベルスキーは
「損失回避の感情」と呼びます。

損をするくらいなら、
得をする可能性が同じくらいあっても
何もしないでおこうと考えます。

評価制度を作って社員説明する際、
よい評価を得たら、賃金も連動して上がるから、
賃金を下げる目的の制度ではないです
と説明しがちですが、

実際に評価され、
それで賃金決定するのを
体験するまでは、言葉だけでは
社員さんはなかなか信用しません。

実務では
制度導入発表から1年は
仮運用期間として、
新制度による賃金は
上げもしないし下げもしないと
宣言してもらっています。
(つまりはこれまでのやり方による賃金改定、賞与支給方法とする)

上記でのべた「損失回避の感情」は、
ギャンブルにのめりこんだりすることを防ぐ
心の逆止弁となる一方

現状維持バイアス ・・・・・ 変化したくない気持ち
保有効果 ・・・・・ モノを所有したら捨てられない
という原因になります。

損が怖くて、変更できない状況です。

組織は変化を嫌います。
新しい制度がいいとか悪いとかの
基準ではないんですね。

むしろ、良い制度だとわかっていても、
変化することを避けます。

よって、1年間の移行期間を置くことで、
気持ちの切り替え、受け入れる準備を
してもらう必要があります。

人の行動は単純ではありません。

自分が思う以上に自分の感情や
行動がコントロールできません。

ダイエット一生懸命にやっているのに、
つい1口食べたら、止まらなくなったり
普段は理性的な行動してる人が
コントロールがきかずに
思わずやらかしてしまって恋人に愛想つかされたり
決し合理的ではないということですね。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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